anko3713 ゆっくり平等にしてってね

Last-modified: Wed, 20 Jul 2016 05:02:33 JST (2176d)
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「ゆゆっ、そこのおにいさん。ちょっとまってね!!」

俺がそのれいむと会ったのはある夏の日。ペットのめーりんを公園で散歩させていた時だった。

陽炎が出そうな炎天下の中、突然背後から跳ねてきた一匹のゆっくりれいむに呼び止められたのだ。

薄汚れ生ゴミのすえた臭いのする体。

バッジもなくヨレヨレでどす黒く変色したリボン。

そしてこちらの顔色を上目遣いでチラチラとうかがっている。

どう見ても野良ゆっくり。それも物乞いの類である。

「おにいさんれいむをかいゆっくりに・・・」

「ダメだ。」

「ゆゆっ!!?」

れいむが言い終わる前に俺は即答する。

この手の野良ゆに甘い顔をするとろくなことがない。

悪徳セールスと一緒で相手の話などろくに聞かずに「NO」と言うのが大事なのだ。

「どぼじでぞんなごというのぉおおおおおおお!!!!」

しかしそんな俺の思惑など知らない野良れいむ。

まるでデパートでおもちゃをねだる子供のようにもみ上げをぴこぴこ動かせて地団駄ふんでいる。

あー、めんどくさいのに捕まっちまったな。俺は見苦しくジタバタするれいむを見ながらげんなりした。

大体なんで俺なんだよ。

この公園には夏休みということもあり親子連れをはじめ他にも人間がたくさんいるのだ。そっちに声をかければいいのに。

「じゃあ悪いけど、そういうわけだから・・・」

そのままれいむの横をすり抜けて立ち去ろうとする俺。

「まっでぇええええええええ!!!!」

そうはさせまいとれいむは俺の足元にまとわりつく。

きたねえな。ズボンと靴に汚れがつくだろ。この靴おろしたての奴なんだよ。

「なんでおはなしきいてくれないのぉおおおおお!!!れいむがのらゆっくりだからぁあああ!!?」

公園中に響き渡るような大声を張り上げるれいむ。

なんとか同情を買おうと必死なのだろうがウザイことこの上ない。

めーりんも困った顔で俺のほうを見ている。なんでこんな事になってしまったんだろう。

「れいむかわいそうなんだよぉおおおお!!!このあいだまりさをなくしてみぼうっゆんっになったばかりなんだよぉおおおお!!!!!」

ますますヒートアップしてれいむは泣き喚く。公園内の人々が腫れ物でも見るかのような目で見ているがお構いなしだ。

悲劇のヒロイン気取りなのだろうが俺からしてみればお前のゆん生なんぞどうでもいい。

「うちはこの金バッジのめーりんが居るからもうゆっくりはいらないんだよ。飼いゆになりたけりゃ他を当たってくれ。」

そう言いながら俺は俺の後ろで所在なさげにたたずんでいるめーりんをれいむに見せた。

その帽子には真新しい金バッジがさんさんと輝いている。数日前試験に合格し、昨日郵送で送られてきたばかりの新品である。

なんで金バッジのゆっくりがいるのに、更に野良ゆなんぞ飼わなきゃいかんのだ。このれいむには悪いがお呼びじゃないのだ。

「そんなのかんけいないでしょぉおおおおおお!!!」

だがれいむは納得していないらしい。更に声のボリュームを上げて喚き続ける。

「なんでれいむはゆっくりできないのぉおおお!!!なんでそこのめーりんはにんげんさんにゆっくりさせてもらってるのぉおおお!!!こんなのさべつだょおおお!!ふこうへいだよぉおおおお!!びょーどーじゃないよぉおおおおお!!!」

もういいかげんにしてくれ。このクソ暑い中。

いっそのこと走って逃げようかとも思ったがこんなところでめーりんを置き去りにするわけにもいかない。

アメフト選手じゃあるまいし、5キロはある成体のめーりんを抱えて走るのも億劫だ。

「きんばっじなんてかざりだよ!!ごみだよぉおお!!ゆっくりにとってなんのいみもないものだよ!!そのきになればれいむだってきんばっじさんくらいかんたんにとれるよ!!なのになんでにんげんさんたちはそんなみてくれっばかりみるのぉおおおお!!!たいせつなのはなかみでしょおおお!!!」

「・・・・・・ゴミ・・?・・意味がない・・・?」

れいむの言葉に俺は真夏の気温以上に体温が上がるのを感じた。

俺は知っている。

めーりんがこの金バッジを取るためどれほど努力してきたか。合格率1%以下と言われる狭き門に受かることがどれほど大変だったか。

「じゃお」しか言えない劣等感に負けないために、めーりんが自ら進んでこの難関に挑戦したことも。

昼寝が何よりも好きなこいつが、それこそ睡眠時間を削って頑張って試験勉強していたことも。

それをゴミ・・・?見てくればかり・・?意味がない・・・?

「じゃお」しか言えないめーりんが金バッジを取ることがどれほど苦労があったかも知らないくせに。

生ゴミ漁って公園に不法に住み着いた人間に迷惑しかかけない野良ゆの分際で。

それともこいつは金バッジは人間に飼われれてのんべんだらりと過ごしていれば勝手に生えてくるとでも思っているのだろうか。

「・・・ほー、大切なのは中身なのか・・・」

俺はにっこりれいむに微笑みながら近づく。もちろんこの笑みは本心ではない。

「ゆゆっ。そのとおりだよおにいさん。だいじょうぶ、れいむはとってもやさしくてじあいっにみちたゆっくりだからめーりんなんかでもいじめたりしないよ!!だかられいむをかってね。まいにちあまあまちょうーだいね。めーりんとびょーどーにゆっくりさせてね。」

俺が笑顔を見せた途端どや顔で次々と要求を吹っかけるれいむ。どうやらこいつのなかでは自分は既に飼われているつもりらしい。

「だったらこいつはいらないよな。」

そんなれいむのリボンを俺は毟り取った。

「ゆ・・・?」

れいむは口を半開きできょとんとしている。 何が起きたかわからないといった顔だ。

しかし俺の手にあるのが自分のリボンだと分かると

「ゆぁああああああ!!!れいむのおりぼんさんがぁああああああ!!!!

今度は火がついたように叫びだした。

それもそうだろう。ゆっくりにとってお飾りは命も同然の大切なもの。

なければ差別され、迫害を受け、殺されることもある。

俺からして見ればこんな小汚い布切れになんでそこまで執着するのかさっぱり分からない。

こんなものあってもなくてもリボン付きのクソ饅頭かただのうんうん饅頭かの違いしかないのだが。

「どぼじでこんなことするのぉおおお!!!!」

全く本当にうるさい奴だ。こんだけ喚いてよく声が枯れないものだとそれだけは感心する。

ちなみに体を洗う時や寝る時はお飾りを外すのは飼いゆとして基本中の基本。

リボンを取るたびにこの調子ではこのれいむ金バッジは100%無理だと断言できる。

「どうしてって・・・大切なのは中身なんだろ。だったらこんなリボン、意味がないゴミじゃねーか。」

「ゆゆ!!?」

自分の言葉が思わぬブーメランになってれいむは硬直する。

やっと今頃になって自分の言った言葉の愚かしさに気づいたのだろう。

所詮ゆっくりの言うことなどその場その場で自分に都合の良い言葉を並べているだけ。

一貫した主義主張や信念などありはしない。親子の情ですらあまあまひとつで壊れることがあるくらいだ。

「ゆっくりの謝罪は鳴き声」とはよく言ったものである。

「ゴミはゴミ箱へ・・ってね。」

そんなれいむを無視し俺は近くにあったゴミ箱に叩き込む。リボンはカサリと乾いた音を立てて鉄製の箱の中へ吸い込まれた。

「れいむのきゅーとでふぁしょなぶるなおりぼんさんがぁあああああ!!!!」

れいむは必死にリボンを取り戻そうとゴミ箱に体当たりするが、ゆっくりの体当たりごときでゴミ箱が壊れるはずもない。

「帰るぞ。めーりん。」

「じ・・じゃお・・・」

「れいむのおりぼんさんかえじでぇえええええ!!!」

この世の終わりのごとくゴミ箱に喚き続けるれいむ。それを気の毒そうに見ているめーりんとともに俺は公園を後にした。

数日後

「やべてぇええええええ!!!!」

公園の片隅で一匹のれいむが数匹の野良ゆ達に暴行を受けていた。

「おらおら。とっととこっちにくるんだぜぇえ!!」

「やべてぇえええ!!!でいぶのへあーさんがぬけちゃぅううううううう!!!」

このまりさに引き吊りまわされているれいむ、先日お兄さんにリボンを取られたあのれいむである。

お兄さんにリボンを取られて以来れいむは公園の野良ゆ達の最底辺と言える存在にされてしまった。

毎日小突き回され髪の毛を引っ張られて引き釣りまわされ罵倒される。

他の野良ゆに助けを求めてもかえってくるのは嘲笑だけ。誰一人としてれいむをかばう者などいない。

おかげでれいむは体中生傷だらけ。髪の毛はまだら禿げ状態。毎日泣いているので常に目の下にはくまのように涙の後が残っている。

「やめてねぇええ!!おかざりなんてなくてもゆっくりはびょーどーなんだよおっ!!さべつしちゃいけないんだよおおっ!!」

「なーにいってやがるるんだぜ。おかざりもないくせに。」

「ねごとはすーやすやしてからいいなさい。このいなかもの。」

「ばかなんだねー。わかるよー。」

必死に差別はいけないと訴えるれいむだが1匹としてそれを聞き入れ止めるゆっくりなど一匹としていない。

むしろ嬉々としてれいむに死なない程度に痛めつける。

それもしょうがないことだ。こうした飾りのないゆっくりへの虐めは野良ゆ達の数少ない「ゆっくりできること」なのだから。

飾りのない仲間に対して差別し、痛めつけ、馬鹿にし嘲笑う。

その間だけ腐りかけの生ゴミを漁りゴキブリのように人間からこそこそと隠れ住む惨めな自分たちの境遇を忘れることが出来るのだ。

いわばこれはゆっくりできない毎日の鬱憤ばらし。数少ない野良ゆ達の娯楽なのである。

「そーら、れいむ。おまちかねのうんうんなんだぜー。」

一通りれいむを痛めつけ満足するとまりさはれいむのまえにうんうんをした。他の野良ゆ達もそれに続く。

「さあたべなさい、いなかもの。いつもみたいにね。」

ニタニタと笑う野良まりさ達。

今日もれいむはうんうんを食べさせられる。それしか食べるものがないのだ。

餌場であるゴミ捨て場に行っても「お飾りのないゆっくりに分けるごはんさんなどない」と言われて締め出されてしまう。

「む・・むーしゃむーしゃ・・・しあわせ・・・」

「おらっ、こえがちいさいんだぜ!!」

「むーしゃむしゃぁあ!!じあわぜぇえええ!!!むーしゃむーしゃぁああ!!!じあわぜぇええ!!!」

やけくそのように叫びながらうんうんを頬張るれいむ。うんうんの悪臭に何度も吐きそうになりながら無理やり咀嚼し流し込む。

言葉とは裏腹にその顔は幸せを欠けらも感じさせない。

「げーらげら。うんうんたべてしあわせーしてやがんだぜ!!」

「まったくれいむはすかっとろがすきなんだねー。わかるよー。」

そんなれいむをまりさ達はゲラゲラと嘲笑する。れいむとは対照的にその顔には下卑たゆっくりに満ちている。

「さーて、そろそろうんうんれいむとあそぶのはやめてかりにいかなきゃならないぜ。」

「そーだねー。いつまでもすかっとろなれいむにかまっちゃいられないよー。」

「じゃーねーうんうんだいっすきっれいむ。あしたもありすたちがたーっぷりあそんであげるから。」

口々にれいむを馬鹿にしながらゲス野良達は去っていく。

後にはれいむだけが残った。

「どぼじで・・・どぼじでれいむがこんなめにぃいいいい・・・」

れいむは嘆く。まるでこの世の理不尽を全てを背負い込んだように。

「なんでこんな目にって、お前がゲスだからに決まってんだろ。」

「ゆゆ!!?」

急に聞こえた声の方へ顔を上げるとそこにはあの時のお兄さんが公園のフェンス越しに立っていた。

実は物陰かられいむ達の様子を一部始終見ていたのだ。

「なにいってるのぉおおおお!!?れいむはめーりんなんかでもさべつしないまざーってれさっみたいなゆっくりなんだよぉおお!!!」

「それが既に差別なんだよ!!!」

「ゆゆ!?」

思わぬお兄さんの言葉にれいむは凍りつく。

「なんでめーりんを差別しない事が善良なゆっくりになるんだ?むやみに他ゆんを差別しないなんて当たり前のことじゃねえか。お前の言ってることは結局、『めーりんは差別されても当然のクズだけどれいむはしないよ。だってれいむはマザーテレサ並に慈悲深いゆっくりだからね。そんなれいむを飼いゆっくりにしてね。あまあまちょうちょーだいね』ってことでしかねーよ。」

「ゆゆ・・ゆうう!!?」

「なーにがれいむは差別しないいいゆっくりだ。めーりんをダシにして飼いゆになろうとしただけだろうが。いっそのこと『めーりんみたいなクズ捨ててまりさ様をかうんだぜ!!』なんていうゲスゆのほうがまだ潔いわ。」

「ど・・どぼじでわかるのぉおおおお!!?おにいさんはさとりなのぉおおおおお!!?」

図星をさされ目を白黒させてうろたえるれいむ。お兄さんの言うとおりなのだ。

そもそもあの日お兄さんに声をかけてきたのだって『このジジイはくずめーりんを飼うほど馬鹿でお人好しだからちょっと駄々をこねればれいむも飼ってもらえるだろう。くずめーりんは後でゆっくり追い出せばいいや』と考えていたのだ。

でなければあの時公園にはたくさんの人間がいた中でわざわざ追いかけてまでお兄さんに声をかける必要などないのだから。

「そ・・そんなのどおでもいいでしょおおおおお!!!!」

自分の浅はかな考えを見透かされしばらく口ごもっていたれいむだが突如として喚きだした。

「くずめーりんのことなんてしったことじゃないよぉおおお!!!たいせつなのはれいむのことでしょおおおお!!!れいむはおにいさんのせいでかわいそうなさべつのひがいしゃなったんだよぉおおおお!!!!だからやさしくしないとだめなんだょおお!!!わかったられいむにあまあまとあたらしいおりぼんさんをよういしてねぇえええ!!!」

論破されると論点をすり替えひたすら喚き続ける。このれいむ、典型的なでいぶである。

「安心しろれいむ。」

「ゆ?」

「もうお前が差別されることもない。もうすぐこの公園全てのゆっくりが平等になるんだ。平等にゆっくり・・・な。」

預言者のようなお兄さんの物言いにわけも分からずぽかんとするれいむ。

「ゆんやぁああああああああああ!!!!」

「やべてぇええええええ!!!!」

その時公園の入り口のほうから悲鳴が聞こえた。

「ゆ・・・?」

れいむにはその声に聞き覚えがあった。

というか忘れるはずもない。さっきまでれいむを虐めていたまりさ達の声なのだから。

「だれかたすけてぇえええええええ!!!!」

「おちびちゃんにげてぇえええ!!!」

「わがらないよぉおおおおお!!!!」

耳をすませばあちこちからゆっくりの悲鳴らしきものが聞こえる。そしてわずかに死臭もだ。

「なんなのこれ・・・なにがおこってるのぉおおお!!!?」

呆けたようにれいむはつぶやく。

本当は分かっている。この公園で何が起こっているのか。これから自分がどうなるのか。

分かりたくなくても自分の中枢餡が本能レベルで憶えているのだ。

「ああ。始まったみたいだな一斉駆除。」

「いっせいくじょぉおおおお!!!?」

恐怖でパニック状態のれいむにお兄さんはにっこりと微笑んだ。

「良かったじゃないかれいむ。これでもうお飾りがないって差別されることもないぞ。みんな平等。まりさもありすもぱちゅりーも、ちぇんもみょんもゲスゆもアホゆ子ゆっくりも赤ゆっくりもみんな仲良く潰されて永遠にゆっくりするんだ。」

「ぜんぜんよくないでしょおおおおおおお!!!!!」

フェンスの向こうにいる笑顔のお兄さんにれいむは食って掛かる。れいむにとって頼みの綱はお兄さんしか居ないのだ。

「おにいさん、れいむをたすけてぇええええ!!」

「でもなー。お前はうちのめーりんを差別するようなゲスだしなー。そんな奴助けたって恩を仇で返されるのがオチだしなー。」

「ごべんなさぃいいいいい!!!れいむがわるかったですぅうううう!!!もうにどとめーりんをばかにしたりしません!!!むしろめーりんのどれいになりますぅううううう!!!だからたすけてぇえええええ!!!」

恥もプライドも捨てて額を地面にこすりつけ土下座する。

そんなれいむを見てお兄さんはニヤリと邪悪な笑みを浮かべる。

正直お兄さんが日曜の朝早くから公園に来たのもこれが見たかったからなのだ。

「うーん。どーしょっかなー。ちょうどめーりんにもつがいを持たせようと思ってたしなー。れいむが反省したって言うのなら・・」

芝居がかったしぐさで腕組みし考え込むお兄さん。大げさに首をひねり、うーんと唸っている。

やった、れいむの捨て身の土下座がお兄さんの心をうったんだ。れいむは内心ほくそ笑む。

これで念願の飼いゆっくりだ。くずめーりんの処分はほとぼりがさめた頃に考えればいい。

今はこの窮地を脱することが先決だ。

「そうだよ。れいむははんせーしたんだよ。さべつをゆるさずびょーどーをあいするせいぎのゆっくりなんだよ。だかられいむをかいゆっくりに・・」

「あー、でもダメだ。」

「ゆゆ!!?」

「だってここでお前を助けたら公園に住む他のゆっくりに対して平等じゃなくなるじゃないか。れいむ一匹だけ助かって他の公園の野良ゆは死んじまうんだから。そんな不平等、差別を許さず平等を愛する正義(笑)のゆっくりであるれいむが許せるはずがないじゃないか。」

そう言うとお兄さんはパンと大きく拍手を打つ。

「いやーざんねん。せっかくめーりんにいいつがいができたと思ったのになー。平等という信念のためにここで死ぬんじゃしょうがない。
じゃーな、れいむ。そのご立派な信念のためにせいぜい死んでくれ。俺は差別を許し不平等を愛するゲス人間だからお前らうんうん饅頭どもを見殺しにして家で金バッジのめーりんをえこひいきするわ。」

そのまま手をひらひらと振りながらお兄さんは立ち去ってしまった。

「そんなぁああおにいさんんん!!!!みすてないでぇえええええ!!!!!」

なんとかお兄さんに追いすがろうとするれいむ。しかしフェンスが邪魔で追うことは出来ない。

出来るのはフェンスの網目に顔を押し付け顔を不細工にゆがませることだけだ。

「ん!?こんなところにも居やがったか。」

その時一人の加工所職員がれいむの存在に気づいた。フェンスのある隅のほうに居たので今まで職員に発見されなかったれいむだが、大声で喚いていたので気づかれたのである。

「動くなよクソ饅頭・・・」

男は返り餡がべっとり付いたハンマーを片手にゆっくりとこっちにやってくる。その距離のつめ方にすきはない。

「ゆ・・ゆゆ・・・」

れいむは考える。

逃げるのは不可能だ。人間のほうがずっと足は速い。

戦うのは論外。人間はまりさやみょんより強いのだ。間違いなく殺される。

なんとか男を説得するしかない。だがどうやって?

平等ではダメだ。平等では他のゆっくり達と同じく殺される。

ではどうする?どうする?どうする?

そうだ!!

「れ、れいむをえこひきしてね!!れいむだけたすけてねぇええ!!!」

「・・・・・ふっ・・・」

考えあぐねた末に出たれいむの叫びに男は苦笑する。

この加工所職員の男、今年で駆除課に勤務20年目のベテランだ。当然野良ゆの命乞いも数え切れないほど聞いてきた。

そんな男でも初めてなのだ。自分をえこひいきしろなんて言うゆっくりは。

「お前みたいな小汚い野良ゆにひいきなんてされるわけねーだろ。」

そのまま男はハンマーを振り上げる。振り下ろす先はもちろんれいむの眉間である。

「ゆんやぁあああああああああ!!!!」

れいむはこれ以上なくゆっくりできない断末魔を上げ

グチャア

公園の野良ゆっくり達と平等になった。